[430]  火炎茸
09/15 06:41
>>429

続き。貼りは鹿島。

ドーバー海峡最奥地、母艦吉備津彦は途中で別れ、連合艦隊、支援艦隊、ゴールデンハインドが進む。アルトリアは紅く染まった海を見る。
「まるで血のようですね。どれだけ人が倒れても、このようにはならないでしょう」
時雨(時雨)が言う。
「沈んだ者達の血だ。あと錆の色でもあるよ」
時雨(藤丸)が聞く。
「錆の色?それって沈没船の?」
その時、旗艦神通が言う。
「偵察機から連絡です。敵司令と思われる姫クラスを発見。艦種は恐らく空母、戦艦水姫他随伴艦多数。そしてサーヴァント艦1隻が先行しています」

見ると帆船、スペイン軍艦が深海棲艦達の前に出ていた。ゴールデンハインドも前に出て、フランシスが船首に立つ。
「アタシは確かにアルマダの戦いでスペイン艦隊に勝ったけど、当時のイギリス海軍には制海権を維持する力はなかった。イギリスとスペインの勢力が逆転するのはもう少し後のことさ。だから思ったんだ。スペイン艦隊がアルマダの件だけで恨みを持つとは考えられないんだよねぇ。ただ一人を除いてな」
フランシスはライフルをスペイン軍艦に向けた。
「スペイン海軍司令官、メディナ・シドニア公!あんただろ?」
スペイン軍艦から一人の男が甲板に出てきた。
「フランシス・ドレイク!貴様のせいで私の人生は滅茶苦茶になった!前任のサンタ・クルス提督が急逝し、海戦の経験もない私が提督へと抜擢された。本来であればイギリスへと上陸し私の実力を発揮出来たのに、貴様が!貴様が立ちはだかったせいで!私は無能の烙印を押されたのだ!」

旗艦の神通は榛名に耳打ちした。
「実力に見会わない人が司令になっちゃうって、日本以外でもあったんですね」
「多聞丸さんも本来は専門じゃないですからね、航空戦」

シドニア公は懐から聖杯を出した。
「だから私はこの聖杯で世界を塗り替える!私を否定した世界を破壊してやる!」
フランシスが吠える。
「大の男が怨み言をグチグチ言うんじゃないよ!野郎共!あのクソジジイに一杯食らわせるぞ!」
「アイアイサー!」
睦月達が声をあげた。

浜風が時雨に言う。
「先輩!あの聖杯は目的のものです!」
「そうだね。でも」
時雨は深海棲艦の旗艦、欧州棲姫を見る。
「バカナノ?オロカナノ?」
「あの帆船はフランシスさんが相手する。僕達は深海棲艦を先に片付けた方がよさそうだ」
「了解!深海棲艦との交戦に入ります!」

後方の支援部隊、ウォースパイトは欧州棲姫を見て何かを感じた。
「ウォースパイト、どうしたデース?」
旗艦、金剛が話しかける。
「あの深海棲艦、見覚えが・・・・」

イイネ!(1)
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